スポーツ観戦空間再考

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タイトル別名
  • Reconsideration of Sport Spectating Space:
  • From Some Sociocultural Perspectives
  • 文化論的パースペクティヴから

抄録

<p> 現代社会においてスタジアム/ アリーナはただ単にスポーツを観戦する場所ではなく、様々な機能と意味をもつ場所となっている。そこで本稿ではそのようなスポーツ観戦空間について、筆者のいくつかの過去論稿をベースにしながらも新しい知見を参照しつつ、その文化論的パースペクティヴを提示/ 検討しながら機能/ 意味を解読し、最終的に今後の課題を示すことを目的とした。</p><p> まずスポーツ観戦空間がどのような足跡を辿ってきたのかを、主に近代スポーツ誕生後に盛んに建造されているスタジアム/ アリーナを対象にしながら、大まかな潮流ごとにその特徴を概観する。ここではスタジアム/ アリーナが歴史的にスポーツ観戦の輝かしい場所だけでなく、暴力、男性コミュニティ、群衆の喜怒哀楽、政治的集会等に利用されてきたことを提示する。</p><p> スタジアムの社会学的/ 文化論的機能として、ジェンダー規範、行動規範、支配的イデオロギー等、当該社会の状況、秩序、価値観を映し出すものであることを示す。同時に社会的/ 政治的な避難場所としての役割を担っていることを論ずる。</p><p> さらにスポーツ観戦空間の理解を深めるためのパースペクティヴのうち、消費主義及びグローバル資本主義を考察した後、重要なパースペクティヴとして「アイデンティティ/ プライド」の次元と「美」的次元について補足説明を加えた。</p><p> 最後に、現時点での課題について、社会的アクティヴィズムや持続可能性の視点から検討した後、未来のスタジアム空間設計に向けて、ヴァナキュラー論、ジェンダー論、場所論の視点から、エンドユーザーを重視するホスピタリティ設計についてノーマティヴな提言を行なった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581456540141056
  • DOI
    10.5987/jjsss.31-01-05
  • ISSN
    21858691
    09192751
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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