粉体塗料用静電塗装ガンからの異常放電による着火危険性に関する実験的研究

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タイトル別名
  • Experimental Study on Incendivity of Abnormal Discharges Occurred from Electrostatic Powder Spraying Gun

抄録

<p>本稿では,粉体塗料用静電塗装ガンから発生する異常放電による着火危険性について,2つの方法(放電電荷量測定実験とガス爆発実験)により検討した.どちらの実験においても,放電ギャップ(塗装ガンのノズル先端部-接地電極間の距離)を10mm一定とし,ガス爆発実験ではメタン-空気混合ガス(約12.0%)を使用した.その結果,いずれの実験条件においても,静電塗装機の安全装置である過電流遮断回路(OCL)が有効な状態では,異常放電は発生しなかった.また,OCLを解除した場合,電流制御装置の設定値が通常値(-80μA)およびこれに近い値の場合(-110μA)には,放電電荷量は70nC(絶対値)以下となり,この条件では着火しなかった.一方で,より大きな設定値(-120μA,-130μA,-140μA)の場合には,放電電荷量は1,500nC(絶対値)以上となり着火した.この電荷量は,EN 50050-2の定める着火リスク管理値200nC(絶対値)を大きく超えている.以上のように,異常放電の放電電荷量とガス着火・爆発実験結果との間に明確な相関関係が確認されたことから,事前に放電電荷量を把握することで異常放電による着火リスクを評価することができる.</p>

収録刊行物

  • 労働安全衛生研究

    労働安全衛生研究 advpub (0), 2024-05-09

    独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581555878081664
  • DOI
    10.2486/josh.josh-2023-0017-ta
  • ISSN
    1883678X
    18826822
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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