ステロイドパルス療法による心臓サルコイドーシスの左室収縮機能障害と伝導障害の改善

DOI
  • 那須 崇人
    岩手医科大学医学部,内科学講座循環器内科分野 岩手医科大学医歯薬総合研究所,生体情報解析部門
  • 登坂 憲吾
    岩手医科大学医学部,内科学講座循環器内科分野
  • 沼﨑 大諄
    岩手医科大学医学部,内科学講座循環器内科分野

書誌事項

タイトル別名
  • Left ventricular systolic dysfunction and conduction disturbance of cardiac sarcoidosis alleviated by steroid pulse therapy

抄録

48歳の女性が疲労感と動悸で当院を受診.毎年健康診断を受けており,過去の病歴はなかった.心エコー検査で左室駆出率の低下がみられた.さらに,心電図では右軸偏位,不完全右脚ブロック,および多形性の心室期外収縮が見られた.即座に心臓カテーテル検査,心内膜下心筋生検,心臓磁気共鳴画像(CMR),および18F-フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影(PET)を行った.心内膜下心筋生検の標本は非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫とアステロイド小体,リンパ球浸潤が確認された.CMRにて両心室壁にガドリニウム遅延造影が示された.PETでも心室壁で異常な取り込みが見られた.この結果から,患者は心臓サルコイドーシスと診断された.ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1 g/日)を3日間行い,その後はプレドニゾロン30 mg/日で治療を続けた.1カ月後の心エコー検査で左室駆出率が回復し,心電図も正軸に戻り,QRS幅もnarrowとなった.本症例から心筋サルコイドーシスに対して,ステロイドパルス療法が有効である可能性が示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581622424819968
  • DOI
    10.24750/iwateishi.76.1_27
  • ISSN
    24340855
    00213284
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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