抄録
<p>当院では高齢者肘頭骨折に対し,強固な固定を目的にプレート固定を行ってきたが,術後に近位骨片の再転位proximal cutout(以下PC)を生じた2例を報告する.症例1:71歳,男性.Mayo分類Type2A.ALPS Plate(Biomet)で固定.術後2週でPCを認め,VA-LCP Olecranon Plate(Synthes)を用い再固定.術後1ヶ月で表層感染し洗浄デブリドマンを行い,最終的に骨癒合した.症例2:76歳,女性.Mayo分類Type1A.VA-LCP Olecranon Plateで固定.術後1週でPCを認め,VA-LCP Proximal Olecranon Plateを用い再固定した.術後3週で,プレート遠位部で骨折し,プレート追加固定後骨癒合した.【考察】術後再転位のリスクとして,骨脆弱性,近位骨片の薄さ,骨片内の骨折が考えられた.上記症例の場合,伸展制限や皮膚トラブルのリスクを踏まえた上でより近位までスクリュー挿入可能なプレートを選択するか,あるいは破断強度の高い縫合糸を用いた上腕三頭筋の補助縫合,Tension band Wiring(TBW)やCannulated Cancellous Screw(CCS)の併用も考慮する必要があると考えられた.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 73 (1), 165-169, 2024-03-25
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581622426345216
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可