両側アキレス腱断裂の一例

Abstract

<p>【はじめに】受傷機転のない両側アキレス腱断裂は比較的稀である.今回その1例を経験したので報告する.【症例】75歳男性.既往は2型糖尿病,高血圧,慢性皮膚疾患.起床時より左足関節痛を認め,左アキレス腱断裂の診断にて近医より紹介となった.翌日,右足関節痛の訴えあり右アキレス腱にも断裂所見を認めた.外科的加療の方針としたが,HbA1c 9.5%と血糖コントロール不良であったため血糖管理を行い,受傷後20日で両側アキレス腱縫合術を施行した.陳旧性断裂の所見であったが,腱の短縮は認めなかったため端々縫合を行った.腱断端の組織学的所見は明らかな炎症所見のないfibro-tendinous tissueを呈していた.術後4週はシーネ固定にて免荷とし,以降アキレス腱装具装着のうえ部分荷重を開始している.【結語】受傷機転のない両側アキレス腱断裂の1例を経験したので報告した.</p>

Journal

  • Orthopedics & Traumatology

    Orthopedics & Traumatology 73 (1), 181-183, 2024-03-25

    West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology

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