化膿性脊椎炎初期に膿胸,傍胸椎前方膿瘍を併発したと考えられた症例

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抄録

<p>症例は,糖尿病,高脂血症,高血圧,逆流性食道炎を合併し内科に定期通院している74歳女性.2日前から続く腰痛による体動困難を主訴に同病院に救急搬送された.受診時,発熱,炎症反応軽度高値を認めた.CTでは明らかな熱源を認めず,入院にて安静加療を行った.入院後腰痛は軽快傾向だったが,発熱が持続し,入院4日目の血液検査で炎症反応の悪化を認め,尿路感染を疑い抗菌薬加療を開始した.入院5日目MRIのT2-WIで腰椎Th10~12前方,横隔膜背側に分葉状の高信号域,STIRでTh9/10軽度高信号を認めた.膿瘍を疑い,同日胸腹部造影CTを撮影し,両側胸水を新規に認めた.血液・胸水培養からメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(Methicillin-susceptible Staphylococcus Aureus:MSSA)が検出され,化膿性脊椎炎に伴う膿胸,傍胸椎前方膿瘍と診断した.化膿性脊椎炎に膿胸,滲出性胸水を伴うことは稀であるが,糖尿病等危険因子のある高齢者の診療を行う場合,感染の進展がないか注意を払いながら加療を行う必要がある.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581622426373120
  • DOI
    10.5035/nishiseisai.73.223
  • ISSN
    13494333
    00371033
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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