抄録
<p>当科では人工膝関節全置換術(TKA)施行時に手術用ヘルメットを使用しない.当科での術後感染率を諸報告と比較した.【対象と方法】2012年1月~2022年3月に当科でTKAを施行し,術後90日以上経過観察できた480例.術後90日以内の発症を急性期感染,以降の発症を慢性期感染とした.術者らは滅菌された頭巾と未滅菌のゴーグルを着用し,クリーンルームで手術を施行した.【結果】平均手術時間は110±19分,平均経過観察期間は43±31ヶ月だった.急性期感染を1例(0.2%),慢性期感染を5例(1.0%)に認め,ヘルメットを用いた諸報告の感染率と同等だった.【考察】手術用ヘルメットの感染予防効果については結論が出ていない.当科では感染予防対策として手術室の入室制限等の工夫を行った.経過観察期間の短い症例を含むため慢性期の感染率が下がっている可能性がある.【結論】手術用ヘルメットを用いないTKAでの術後急性期感染率は,諸報告と同等だった.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 73 (2), 246-248, 2024-03-25
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390581622426376320
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可