アルカプトン尿症による関節症性変化により高度の環軸椎不安定性をきたした1例

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<p>【はじめに】アルカプトン尿症は稀な先天性代謝異常症であり,色素沈着をきたした関節軟骨の変性により大関節に関節症性変化,脊椎に強直性変化が見られる.脊椎強直は特に胸腰椎に多く認め,頸椎ではまれであるが,今回我々は下位頸椎の強直により環軸椎の不安定性をきたし,脊髄症を発症したアルカプトン尿症の1例を経験したので報告する.【症例】65歳男性.歩行障害,四肢のしびれ,巧緻運動障害が出現し当科紹介.初診時の単純X線にて下位頸椎の強直及び環軸椎亜脱臼を認め,MRIではC1レベルでの脊髄の萎縮を認め,同レベルでの脊髄症と診断した.棘突起間スペーサーを用いた環軸椎関節の整復とMagerl+Brooks法による後方固定を施行し,脊髄症による症状は改善した.【結語】アルカプトン尿症において頸椎の強直性変化を認める症例は,環軸椎の不安定性をきたしやすく,脊髄症をきたす可能性を念頭に置くことが重要と思われた.</p>

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