<研究論文>日本語数量詞遊離現象についての考察 --意味役割を中心に--

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タイトル別名
  • <Articles>A Study of Floating Numeral Quantifier in Japanese: A Perspective from Semantic Macroroles
  • 日本語数量詞遊離現象についての考察 : 意味役割を中心に
  • ニホン ゴスウリョウシ ユウリ ゲンショウ ニ ツイテ ノ コウサツ : イミ ヤクワリ オ チュウシン ニ

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抄録

本稿は意味役割を中心に数量詞遊離の条件を明らかにし,その条件が生じる要因を説明することを目的とする。統語,格,情報構造,意味役割という文法の4つのレベルの対応関係に基づき,項と付加詞,直接受身文と間接受身文,内項と外項を巡って,対象と動作主のいずれも数量詞の遊離が許されるという仮説を検証した。その結果,対象と動作主ともに数量詞の遊離が許されるが,一定の条件が存在することがわかった。本稿は「semanticmacroroles」の概念を用い,その条件が生じる要因を次のように説明した。「undergoer-patient」の場合,[+Affectedness]のプロトタイプ的な対象で数量詞の遊離が許されやすいのは,対象からの数量詞遊離が受影性による階層的な現象であるからだと言える。また,「actor-agent」に関して,数量詞の遊離が許される条件を4つまとめた。数量詞が修飾する名詞句の数的な意味の前最化は数量詞の遊離が許される要囚であると言える。更に,「actor-source」でも数量詞の遊離が許されることが確認された。

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