13歳女児に発生した乳腺境界悪性葉状腫瘍の1例

  • 金谷 瑛美
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
  • 松井 恒志
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
  • 長澤 志保
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
  • 荒木 美聡
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
  • 関根 慎一
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科
  • 高木 康司
    富山大学学術研究部病理診断学講座
  • 藤井 努
    富山大学学術研究部医学系消化器・腫瘍・総合外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Borderline Phyllodes Tumor in a 13-year-old Girl
  • 13サイ ジョジ ニ ハッセイ シタ ニュウセン キョウカイ アクセイ ヨウジョウ シュヨウ ノ 1レイ

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説明

<p>乳腺葉状腫瘍は乳腺腫瘍の1%未満と比較的稀な上皮性混合腫瘍の一つであり,若年性は極めて稀である.線維腺腫との鑑別が難しく,特に若年性線維腺腫との鑑別が困難である.そのため,手術時の適切な切除範囲の決定に苦慮する場合が多い.</p><p>今回,13歳の女児,針生検検査で線維腺腫の診断であったが,術後病理検査で境界悪性葉状腫瘍と診断された1例を経験したので報告する.症例:右乳房しこりを自覚し受診.針生検検査では線維腺腫の診断であったが,経過観察中に増大傾向を認めたため,葉状腫瘍の可能性を考慮し腫瘍摘出術を施行した.術後病理検査では境界悪性葉状腫瘍と診断された.術後2年で再発なく経過している.</p><p>葉状腫瘍の切除範囲については一定の見解がなく切除マージンと再発率は相関しないとの報告も多いため,結果的に葉状腫瘍の診断でも追加切除は不要と思われる.若年者の手術に際しては根治性だけでなく整容性や将来の授乳機能温存への配慮も重要である.</p>

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