デュピルマブ投与中に好酸球性肉芽腫性血管炎を発症した好酸球性副鼻腔炎の1例

  • 岩武 桜子
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 齋藤 善光
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 笹野 恭之
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 伊藤 友祐
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 小森 学
    聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Eosinophilic Sinusitis with Eosinophilic Granulomatous Vasculitis that Developed while Receiving Dupilumab

説明

<p>好酸球性副鼻腔炎(ECRS; eosinophilic chronic rhinosinusitis)は保存治療に抵抗性かつ手術加療後に再発を認めることも多い難治性の副鼻腔炎である.既存の治療でコントロール不十分な症例に対しての新規生物学的製剤としてヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体(デュピルマブ)が近年注目されている.本症例では二度目の副鼻腔手術後約6ヵ月でポリープの再発と嗅覚障害を発症しデュピルマブが開始となったが,投与開始3ヵ月後に好酸球性肉芽腫性血管炎(EGPA; eosinophilic granulomatosis with polyangiitis)を発症した.ECRSとEGPAはいずれもオーバーラップした概念であり,ECRS観察中において病初期のEGPAを診断することは困難であることも多い.デュピルマブは生物学的製剤の中では基本的に安全性の高い薬剤であるが,投与中はEGPA発症の有無の評価として末梢血好酸球数の急激な上昇や四肢の痺れ等の自覚症状がないか,血液検査や問診,身体所見等で慎重に経過観察を行うことが重要と考える.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390582008203647104
  • DOI
    10.11453/orltokyo.66.3_128
  • ISSN
    18836429
    03869687
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ