精神障害のカテゴリカル診断を超えた心理学的アプローチの可能性 多元的・包括的アプローチによる精神障害の捉えなおし

説明

<p>精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)などに基づく現在の精神障害の診断は症状を基準にカテゴリカルに分類される。しかし,診断基準内の症状の重複の存在,患者ごとの問題の多様性が無視されうるなど多数の問題を抱えている。本シンポジウムでは従来の精神障害の診断分類,さらには精神医学や臨床心理学の枠組みに囚われず,神経科学や実験・認知心理学の知見も含めた,多元的・包括的なアプローチによる精神障害の捉え方について紹介し,新たな考え方や次のアプローチについて議論する。たとえば,症状や認知などのそれぞれの関連性を捉えるネットワークアプローチ,p factor, HiToPなどの因子・階層的次元アプローチ,診断横断的な治療的関わりなどについて紹介する。また,計算論的アプローチや神経生物学的特徴と症状を結び付けたRDoCなどの取り組みも紹介し,議論する。これらの研究や取り組みをもとに,現状の精神障害を取り巻く問題に対して,心理学がどのような役割を果たせるのかについて模索したい。</p>

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