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- 高橋 成和
- 島根大学教育学部
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study on Measurement of Specific Heat of Solid body -Measurement of Heat Conductivity and Warming up of ball-
説明
<p>古典から現代科学への懸橋の一端を担った固体の比熱が高等学校「理科I」で取り扱われることは,生徒が科学発展の節目を学び,熱量に関する重要概念を獲得する上から有意義である。本論文は,金属等の比熱測定に関する簡単かつ単時間に行なえる方法を述べ,生徒実験の場の構成を容易にするものである。合せて熱伝導率の測定法も提示し,もの一ここでは球体一の温まり方について考察を加え,熱に関する初・中等理科指導の参考に供する。試料は直径5cmの銅,鋼鉄,鉛,ジュラルミン,エボナイト製球体である。この中心温度が測定できるように,水銀棒状温度計あるいは熱電対を挿入する。まず,室温の試料を沸騰している湯(100°C)の中に入れ温め,熱平衡状態まで待つ。次に,室温の水中に移し,試料と水の温度が等しくなるまで放置する。各定常状態における試料の中心温度を測定し,試料と水の質量と合せ熱量収支より,素材の比熱を求める。また試料を温める過程における温度上昇の経時変化から熱伝導率を求めた。これらの操作から得た比熱・熱伝導率の測定値は他の文献による値と比較して相対誤差10%の範囲にあった。球の温まり方についての議論は,素材の熱伝導率,熱容量と合せ表面での熱伝達が大きく関与することの良き学習題材を提供することが確認できた。</p>
収録刊行物
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- 日本理科教育学会研究紀要
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日本理科教育学会研究紀要 23 (2), 9-18, 1982
一般社団法人 日本理科教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390582108873448704
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- ISSN
- 24330140
- 03899039
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可