画像所見より穿孔性虫垂炎から膿胸に至ったと推察された1例

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  • Complicated appendicitis with empyema : A case report

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説明

<p>症例は66歳の男性。当院搬入11日前に心窩部不快感が出現した。9日前に右側腹部痛を自覚し, 2日前には右胸痛が出現したため救急要請した。CT画像で右胸水貯留に加え腫大した虫垂が右後腎筋膜に接し, 右後腎傍腔に液体貯留とガス像があり右横隔膜沿いに広がっていた。右胸腔にドレーンを留置したところ膿性胸水があり, 緊急手術として開腹虫垂切除と腹腔内洗浄ドレナージを行った。その後, 胸水から腸内細菌が検出された。術後も膿胸と腹腔内膿瘍が遷延したが, 胸腔および腹腔ドレナージと抗菌薬療法にて炎症反応は徐々に改善し膿瘍は治癒した。経過中に行った造影検査では後腹膜膿瘍と膿胸の連続性が確認できた。第84病日にリハビリテーション目的で他院へ転院した。本例では胸水培養および造影検査所見から複雑性虫垂炎が後腎傍腔膿瘍を形成した後, 頭側へ進展し, 横隔膜を介して膿胸に至ったと推測された。</p>

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