上級日本語学習者は文章の文体をどのように把握するか

書誌事項

タイトル別名
  • How Do Advanced Learners of Japanese Comprehend Text Styles?

説明

本研究は,上級の日本語学習者が文章の文体をどのように把握するかを調査したケーススタディである。『BCCWJ図書館サブコーパスの文体情報』(柏野2015)にある専門度,客観度,硬度,くだけ度,語りかけ性度という5つの指標を用いて調査を行った。その結果,論文やレポートと似たテキストの文体把握はより容易で,エッセイのようなジャンルやスピーチを文字化したようなジャンルの文体把握がより難しいことがわかった。文体を表す指標については,特にくだけ度において,くだけ度が持つ様々な待遇的な側面を部分的にしか把握できない様子が観察された。適切な文体把握のために,くだけ度を細分化することと,音声言語と文字言語における丁寧体の使用・不使用がもたらす効果を整理して提示する必要性が示唆された。それらによって,話しことば/書きことばという用語を越えた文体記述の可能性が開かれると考えられる。

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