丹沢山地檜洞丸に生育するブナ(<i>Fagus crenata Blume</i>)の葉の水ポテンシャルと 枝の木部道管組織構造

書誌事項

タイトル別名
  • Leaf water potentials and anatomical features of xylem vessels in Japanese beech trees (<i>Fagus crenata Blume</i>) growing on Mt. Hinokiboramaru, Tanzawa Mountains, Japan
  • Leaf water potentials and anatomical features of xylem vessels in Japanese beech trees (Fagus crenata Blume) growing on Mt. Hinokiboramaru, Tanzawa Mountains, Japan

この論文をさがす

説明

<p>丹沢山地におけるブナ林の衰退原因の一つとして,水ストレスが関与するとされる。しかし,丹沢山地に生育するブナの水分状態を調べた例は極めて少ない。そこで,丹沢山地の主峰の一つであり,ブナ林の衰退が生じている檜洞丸(標高1,601m)において,ブナの葉の水ポテンシャルを測定するとともに,枝木部の道管構造を調べた。その結果,檜洞丸においてブナ林の衰退が認められている山頂付近の稜線沿いと南斜面に生育するブナは,ブナ林の衰退が認められていない山頂付近の北斜面と標高1,200m付近に生育するブナと比較し,葉の水ポテンシャルが低く,枝木部に小径内径の道管が占める割合が高くなるとともに道管密度が高くなる傾向が認められた。このことから,檜洞丸においてブナ林の衰退が生じている山頂付近の稜線沿いと南斜面に生育するブナは,水ストレスを生じ易い環境下に生育することを調査結果をもとに示した。そして,水ストレスとブナハバチの食害がブナ林の衰退に及ぼす複合的な影響について,生育地と衰退度が異なるブナの水分状態と木部道管構造を比較し考察した。</p>

収録刊行物

  • 森林立地

    森林立地 66 (1), 1-8, 2024-06-25

    森林立地学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ