書誌事項
- タイトル別名
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- The history of compensation system for workers with pneumoconiosis-related lung cancer
- ワガクニ ニ オケル ジンパイ ニ ガッペイ シタ ハイ ガン ノ ロウサイ ホショウ セイド ノ ヘンセン
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説明
<p>目的:わが国におけるじん肺に合併した肺がん(以下,じん肺合併肺がん)の労災補償制度についての変遷を俯瞰する.方法:じん肺合併肺がんに対する労災補償制度について検討した行政的資料を用いる.結果:わが国におけるじん肺合併肺がんは,高度経済成長期の末期の頃から労災請求が増加し始める形で顕在化し,じん肺と肺がんの因果関係について労災補償対策の一環として専門家で構成される検討会において議論が重ねられた.1978年の「じん肺と肺がんの関連に関する専門家会議」の報告では因果関係に関する知見は得られなかったが,じん肺の臨床医師に対する調査に基づき,じん肺患者の肺がんについて医療実践上の不利益があるとして実効ある保護施策を提言したことを踏まえて,じん肺管理区分が管理4又は管理4相当の者に発生した肺がんを業務上と認める通達が出された.この頃よりじん肺患者の肺がんの労災認定をめぐる裁判も提起されるようになった.1997年に国際がん研究機関(IARC)が結晶質シリカをグループ1「ヒトに対する発がん性がある」に位置づける評価替えを行ったことを契機として,国内でも「じん肺患者に発生した肺がんの補償に関する専門検討会」で確認作業が行われ,2000年の報告はIARCの評価替えは容認できないとされた.しかし,日本産業衛生学会の許容濃度等委員会は,2001年にIARCがグループ1と評価したことを支持するとして発がん性分類表の「1」とすることを提案した.さらに,「じん肺有所見者の肺がんに係る医療実践上の不利益に関する専門検討会」は,2002年にじん肺管理区分が管理3又は管理3相当の者に発生した肺がんについても医療実践上の不利益が明らかであると報告し,新たな通達が出された.2002年には,健康管理の視点から「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」の報告がなされ,メタアナリシスの手法を用いて,結晶質シリカについての肺がんリスクの上昇は認められないが,じん肺有所見者の肺がんリスクの上昇は認められるとした.これに基づき,原発性肺がんをじん肺法の合併症に追加し,じん肺の健康管理対象として検査方法の追加,じん肺管理区分が管理2以上の者に対する健康管理手帳対象者拡大と労災認定対象としての追加が行われた.考察と結論:2002年の報告書は納得できる解析結果を示しており,これに基づく法令改正も適切になされたと考えられる.</p>
収録刊行物
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- 産業衛生学雑誌
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産業衛生学雑誌 66 (4), 143-154, 2024-07-20
公益社団法人 日本産業衛生学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390582407485758080
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- NII書誌ID
- AN10467364
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- ISSN
- 1349533X
- 13410725
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- NDL書誌ID
- 033627509
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- PubMed
- 38538329
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- PubMed
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可