俳句と歌を使った助詞「は」「が」「も」の授業

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タイトル別名
  • Japanese language class on Japanese particles "wa" "ga" and "mo" using "haiku" and "J-pop song"
  • ハイク ト ウタ オ ツカッタ ジョシ ハ ガ モ ノ ジュギョウ
  • 俳句と歌を使った助詞はがもの授業

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説明

本稿は中級前期以降の学生を対象とした授業の実践報告である。 助詞「は」「が」の違いは難しい。その使い分けは「日本語文法最大の謎」という言葉まである〔坂野信彦(2014,p.3)〕。実際、一本のペンを前に「これはペンだ」と「これがペンだ」の違いを説明するのは難しい。 本稿では、まず日本語が(1)意味レベル、(2)主観レベル、(3)コミュニケーションレベルという三層構造になっていることの確認から始める。結果、「は」「が」の違いも、(1)意味レベルではなく、話者の認識や判断の違いである(2)主観レベルにあることがわかる。これを学生に教えるため、「は」と同様の機能を持ちながら、反対方向に作用する「も」と対比させ、教えた。 主観的な「は」には話者の「心の色」がつき、時に暗示にもなる。したがって、学生には日本語に対する感度を上げることが必要で、本稿ではその授業例も紹介した。 日本語は非常に主観的な言語である。それゆえ、日本語には本来的に「私」を中心とする言語世界が構築されていて、主語「私」がなくても成立する言語、換言すれば、すでに「私」の色がついた言語であるとも言える。 色の違いは白黒テレビではわからない。「は」「が」の違いはカラーテレビで見るように感じなければわからない。その実践として、授業では芭蕉「初時雨 猿も小蓑を 欲しげなり」と、チャゲ& 飛鳥の歌「男と女」を使った。 本稿は「は」「が」の違いが感じられる授業の報告である。

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