慢性脱水の評価指標:スコーピングレビュー

  • 加藤 克典
    石川県立看護大学大学院看護学研究科成人看護学分野
  • 長谷川 陽子
    石川県立看護大学大学院看護学研究科共同研究講座看護理工学
  • 大貝 和裕
    石川県立看護大学大学院看護学研究科共同研究講座看護理工学
  • 紺家 千津子
    石川県立看護大学看護学部看護学科成人看護学講座
  • 峰松 健夫
    石川県立看護大学看護学部看護学科成人看護学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation indicators for chronic dehydration: A scoping review

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説明

目的:既報における慢性脱水の評価指標を整理し,地域および在宅ケアにおけるスクリーニングへの適用を考察することである.方法:PubMed, CINAHL, Cochrane Library, ScienceDirect で,2023年6月8日までに発表された慢性脱水の論文を検索した.プロトコルに基づき,2人の研究者が独立してレビューを行い,意見の相違は討議により合意を得て,慢性脱水の評価指標に関するデータを抽出した.結果:合計14編の論文が分析された.慢性脱水の評価指標として,臨床研究では,体内総水分量,生体内総ナトリウム量,血中尿素値,血中尿素窒素/ クレアチニン比,血清尿酸値,血清浸透圧,尿比重が用いられていた.動物実験では,ヘマトクリット,血中/ 血漿浸透圧,血漿ナトリウム,尿浸透圧,体重が用いられていた.結論:一貫した評価指標はなく,地域および在宅ケアのスクリーニングに適した検査法はなかった.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→地域在住高齢者では,ADL や認知機能の低下につながる慢性脱水が蔓延しているものの,臨床所見では同定がむずかしく見逃されやすいことを問題と捉えた.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ ヒトへの応用が期待できる慢性脱水の評価指標が存在する可能性を考慮し,実験動物も含め網羅的に慢性脱水の評価指標を整理した.既存の評価指標の課題を明らかにすることで,今後の開発ニーズや要求事項を明らかにすることができる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→地域や在宅で実施可能な非侵襲性・迅速性・携行性を兼ね備えた慢性脱水のスクリーニング法の開発が必要である.

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