生と死の連結 : 民俗と戦争の視点から見た又吉栄喜『冥婚』

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  • ナマ ト シ ノ レンケツ : ミンゾク ト センソウ ノ シテン カラ ミタ マタヨシ エイキ 『 メイコン 』

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本論文では、民俗と戦争の視点から又吉栄喜の『冥婚』を考察する。まず、沖縄の実際の冥婚慣行と作品中の冥婚を比較しながら、又吉栄喜の文学における基層文化の描写方法を浮き彫りにする。次に、戦死者の慰霊をめぐる問題や『冥婚』に登場する人間と動物の死に着目し、又吉の文学における死の意味を提示する。以上の二点を踏まえて、戦争直後の時代における個人と共同体の関係や共同体におけるジェンダーの問題について検討を試みる。これら三つの視点を通じて、第二次世界大戦後七〇年の節目に発表された『冥婚』もまた、又吉が戦争への深い反省と平和への願いを込めて、時代の問題に立ち向かう感覚で書かれたた作品であることが明らかにされる。

Journal

  • 沖縄文化研究

    沖縄文化研究 51 135-168, 2024-03-31

    法政大学沖縄文化研究所

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