乳癌術後出産と妊孕性温存治療の取り組み

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タイトル別名
  • Childbirth and Fertility Preservation Treatment after Breast Cancer Surgery at a Hospital
  • ニュウガン ジュツゴ シュッサン ト ニンヨウセイ オンゾン チリョウ ノ トリクミ

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説明

<p>近年,癌経験者の長期生存や晩婚化により,癌患者の妊孕性温存の必要性が高まっている.特に,乳癌は30歳台の発生件数も増えている.標準治療として約8割の症例に薬物療法が術前もしくは術後に行われるが,上昇する出産希望年齢と罹患年齢が近く,化学的閉経も問題となる.われわれは,当院で経験した33年間3,445例の乳癌術後に出産した患者14例を検討した.手術時の年齢の平均は32.4歳であり,ステージ0が5例,Iが9例であった.手術時10例が既婚であった.術後出産した時の年齢の平均は37.6歳であり,術後から平均5.2年が経過し,平均1.29人を出産していた.我が国の2018年平均第一子出生時年齢は30.9歳で,合計特殊出生率は1.30である.乳癌治療は進歩したが,出産症例は少なく,第一子出生時年齢は全国平均から6.7年遅延している.これは乳癌治療と妊孕性温存は未だ課題が多い現状を反映していると考える.当院の妊孕性温存治療の取り組みに文献的考察を加え報告する.</p>

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