木を溶かしてつくる新素材

  • 渡辺 隆司
    京都大学バイオマスプロダクトツリー 産学共同研究部門 京都大学 生存圏研究所 生存圏未来開拓研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • New Materials Reassembled from Wood Cell Walls Using Organic Acids
  • ─有機酸による植物細胞壁リアッセンブリ素材の創成─

説明

<p>地球温暖化などを背景に,植物バイオマスからの新素材創成が急務となっている。我々は,木材や草本バイオマスが穏和な条件でギ酸などの単純な構造の有機酸に可溶化することを見出し,株式会社ダイセルと共同で,アクリル樹脂に匹敵する引張強度をもつ透明性のあるフィルムや,紙の風合いをもつ不透明なフィルムを作成するとともに,このフィルムを木材や金属,陶器,ガラス,プラスチックに熱圧することにより新しい表面コート材料を作成できることを見出した。さらに,木材のギ酸可溶化物からガラス繊維強化樹脂に匹敵する曲げ弾性率をもつ木質圧縮成形物を作出した。木材の他,農産廃棄物,タケも可溶化し,新しいバイオマス素材の開発を通した持続可能社会の構築を目指した活動を進めている。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 78 (8), 637-639, 2024

    紙パルプ技術協会

参考文献 (3)*注記

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