過疎地域住民の生活空間 : 田万川調査をもとに

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タイトル別名
  • Sociological Analysis of Living Spaces Among Residents in Depopulated Areas: Analysis based on the results of a survey in the Tamagawa area, Yamaguchi Prefecture

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説明

本稿では、過疎農村地域の生活空間を形成する地域構造と生活構造の実態を踏まえ、過疎農村地域と近隣の地方都市から形成される圏域を過疎内包型地域圏として捉え、山口県萩市田万川地区に居住する高齢世帯の他出子を対象とした予備社会調査(以下、田万川他出子予備調査と省略)の結果を提示する。当該圏域における世帯としての高齢者世帯と、その家族である他出子との関係を確認し、現代の過疎農村地域の生活空間の拡大の一端を明らかにした。田万川他出子予備調査からは、1)他出子の3割5分(35.3%)が東京圏・大阪圏といった大都市圏に居住する一方で、5割弱(48.5%)は近距離県(山口県・広島県・島根県)に居住していること、2)Uターンの予定があるとする他出子は2割弱(17.9%)と少なく、Uターンしない理由として、田万川での生活の様々な不便が挙げられていた。また、3)他出子が田万川に居住する親の生活維持に一定の役割を果たしていることがうかがえた。「盆・正月の 帰省」、「法事・墓参り」といった2大帰省理由は、居住地を問わず、いまだ、別居子の大き な帰省理由であったが、「農作業・漁業の手伝い」、「米や野菜を取りに行く」、「なんとなく」といった帰省には、他出子の居住地と田万川との距離の遠近が影響していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390583159490731264
  • NII書誌ID
    AA11519621
  • DOI
    10.15017/7236470
  • HANDLE
    2324/7236470
  • ISSN
    13462717
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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