マウス胚における内在性レトロウイルスの多能性への役割

説明

<p>哺乳類の発生は,卵子および精子の配偶子が結合し形成される受精卵から始まる.マウス受精卵が卵割した着床前胚の2細胞期胚において,すべての細胞に分化可能な全能性を獲得する.この全能性は接合子ゲノム活性化(zygotic genome activation: ZGA)やエピゲノムのリプログラミングなどの工程によって特徴付けられる.この受精卵の細胞分裂の過程で多様な組織へ分化能を有する内部細胞塊(inner cell mass: ICM)や将来胎盤へ寄与する栄養外胚葉を有した胚盤胞を形成する.一方で,全能性から多能性への移行過程の分子機構は未だ完全には解明されていない.本稿では,ゲノム内に散在する内在性レトロウイルスであるlong terminal repeat(LTR)型のレトロ転移因子(レトロトランスポゾン)と全能性および多能性獲得との関連について,最新の知見をもとに紹介する.</p><p>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.</p><p>1) Ishiuchi T., Sakamoto M., Life Sci. Alliance, 6, e202302225(2023).</p><p>2) de la Rosa S. et al., Sci. Adv., 10, eadk9394(2024).</p>

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 60 (10), 970-970, 2024

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390583159491803776
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.60.10_970
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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