生理学的および心理物理学的測定を用いた食品のおいしさの定量的評価

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<p>本研究では、食品のおいしさを心理生理学的に定量化することを目的として2種類の実験を行った。2つの実験を始める前に、健康な学生10名で5種類の冷凍炒飯を評価し、おいしい炒飯、ややおいしい炒飯、普通の炒飯の3種類の炒飯を選定した。実験1では、健康な学生20名を10名ずつ、おいしい炒飯を食べるグループ1と普通の炒飯を食べるグループ2にわけ、それぞれ4つの実験ブロックを実施した(被験者間計画)。1つの実験ブロックには、脳波の記録、ストループ課題の実施、与えられた試料の喫食、アンケートへの回答が含まれた。データ解析の結果、課題作業時間については、グループ1がグループ2より有意に短かった(高作業効率)ことが示された。脳活動については、グループ1では前頭領域でシータとアルファの振幅が低く(高覚醒)、アルファ帯の活動は右の領域よりも左の前頭領域でより低下する(高接近意欲)ことが示された。実験2では、健康な学生28名に対して、おいしい炒飯とややおおしい炒飯を別の日に食べてもらう実験を行った(被験者内計画)。1日の実験の流れは実験1と同様に設定した。作業時間も、脳活動も、2種類の炒飯で有意な差は認められなかった。これらの結果は、おいしいものを摂取すると、課題の作業効率、課題中の覚醒度、課題への意欲がそれぞれ高くなることを意味している。本研究の手法は、食品のおいしさを生理心理学的に定量化できる可能性を示した。</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390583424884999680
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual62.308_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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