ESD術後の食道狭窄予防のための自己組織化ペプチドゲルの使用:米国の多施設前方視的研究
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- 引地 拓人
- 福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部
書誌事項
- タイトル別名
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- The use of a self-assembling peptide gel for stricture prevention in the esophagus after endoscopic submucosal dissection : a U.S. multicenter prospective study (with video)<sup> 1)</sup>.
説明
<p>【背景と目的】術後狭窄は,広範な食道ESD後の重篤な有害事象である.自己組織化ペプチドゲルは,組織の治癒と再上皮化を促進することが示されている.本研究の目的は,食道ESD後の狭窄予防に対する自己組織化ペプチドゲルの効果を評価することである.</p><p>【方法】本研究は,2022年3月から2023年12月に食道ESDを施行し,自己組織化ペプチドゲル塗布を施行した患者を対象とした多施設共同前向き研究である.ESDによる粘膜欠損周在が食道内腔の50%以上であった患者を対象とした.狭窄ハイリスク症例は,粘膜欠損周在75%以上と定義された.狭窄は,直径8.9mm以上の内視鏡が通過できないか,嚥下障害がある患者で内腔が狭い場合(内視鏡が抵抗がありながら通過する)と定義した.</p><p>【結果】研究期間中にESDを受けた患者は43例(年齢中央値71歳,男性81.4%)で,切除標本サイズ中央値は50mmであった.すべての症例で自己組織化ペプチドゲル(中央値3mL)の投与に成功した(時間中央値4分).狭窄率は全体で20.9%(9/43)で,狭窄ハイリスク症例では30.8%(全周の粘膜欠損:80%[4/5],周在75%以上全周未満の粘膜欠損:19%[4/21])であった.狭窄は全例が内視鏡治療で改善した.術後出血が3例(6.9%)に発生したが,内視鏡的に対応可能であった.</p><p>【結論】自己組織化ペプチドゲルの塗布は容易で迅速であり,他の予防法と比較して比較的低い狭窄率であった.しかし,これらの予備的所見を裏付けるためには,さらなる比較研究が必要である.</p>
収録刊行物
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- 日本消化器内視鏡学会雑誌
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日本消化器内視鏡学会雑誌 66 (11), 2625-2625, 2024
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390583712732649984
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- ISSN
- 18845738
- 03871207
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可