新人研修「急変の予測と看護」を学ぶシミュレーション学習

書誌事項

タイトル別名
  • Novice nurse training:simulation-based learning for “anticipating sudden changes and nursing”
  • シンジン ケンシュウ 「 キュウヘン ノ ヨソク ト カンゴ 」 オ マナブ シミュレーション ガクシュウ

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説明

<p> 本研究の目的は、新人看護職員が「急変の予測と看護」について主体的に学べる実践的な集合研修の検討である。A病院では従来の講義や実技演習では実践への学習転移が難しいという課題があった。<br> そこで、新人のこれまでの学習や経験を生かせるよう、研修の全体構成を演習、講義、演習の順に変更した。グループ演習では、既習のフィジカルアセスメント I で使用した事例の状態が変化したという想定で、用意した観察カードの中から必要な観察項目を 5 つ選ばせ、それらの観察結果を提供した。新人はその情報を追加し、患者に何が起こっているのかアセスメントしながら、次にどう行動すべきか行動カードの中から優先順位の高いものを3つ選択させた。その後、課題解決のヒントとなる講義を行い、再び同じ課題で演習を行う中で思考を深められるようにした。<br> 結果、講義前後で選択カードを比べると、呼吸・循環など一次評価に必要な項目を選択したグループが講義後に増加しており、グループ差が少なくなっていた。受講者からはカードがあることで話し合いや振り返りがしやすく、優先度が高いものを絞る過程で理由や根拠をより深く考えることができたなどの回答を得た。<br> グループで優先順位をつける過程において、相互に考えを説明し理解を得ながら決定していくため、ノンテクニカルスキルのトレーニングに役立つことが期待できる。また、本研修はカードという簡易なものを使用することから、部署や施設、規模などを問わない汎用性があると考える。</p>

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