児童精神科に入院する思春期年代の子どもの攻撃性の特徴― 小中学校と児童精神科における比較調査より ―

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本研究は,児童精神科に入院する思春期年代の子どもの攻撃性の特徴を小中学校に在籍する同年代の子どもと比較から明らかにすることを目的に実施した.調査には,自記式の反応的-能動的攻撃性尺度と規則に関する意識調査を用いた.小中学校に在籍する子どもに比べ入院児童は,攻撃性尺度の「攻撃有能感」が有意に高く示され,攻撃行動後の相手の反応から強い自分を確認し,自分自身を安定させる傾向があることがわかった.衝動性や不注意などの問題を持つ入院児童は,否定的なメッセージを投げかけられることが多く,自己肯定感が低下している.対応するスタッフは,規則で枠に縛るのではなく,これらの子どもが“力”に頼らなくても自尊心を保てるよう,子ども個人を認め,尊重する関わりが求められる.

収録刊行物

  • 三重看護学誌

    三重看護学誌 13 83-92, 2011-03-15

    三重大学医学部看護学科

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