書誌事項

タイトル別名
  • nursing and autopsy
  • カンゴ ト カイボウ

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説明

看護における解剖の意味について,学部教育から臨床場面,支援の完遂まで現状の概説を試みた.本学の学部教育での「人体構造学」と系統解剖実習見学を述べ,解剖の目的別に,1)正常構造の教育・研究では,解剖そのものの制度背景と他国の看護学生の状況,看護師に期待されるフィジカルアセスメントの基礎となる臓器位置関係とその個体差など,実体認識の必要性を,2)病理所見の確認では,病理解剖の手順,最近広く行われている死亡時画像診断(Autopsy Imaging, Ai )の概要と限界,病理解剖件数の低下が世界的に生じている状況を,3)社会的要請では,司法解剖と行政解剖の概要を述べ,安全管理と死因究明の関係の視点を加えた.総括して,看護師にも解剖一般,とりわけ病理解剖への知識が必要であること,Pathology Liaison Nurse としての活動ができれば,患者や家族の予期悲嘆の軽減にも繋がる可能性を述べた.今後,患者側の視点を援助するため病理解剖に関連する看護研究が待たれる.

収録刊行物

  • 三重看護学誌

    三重看護学誌 21 1-5, 2019-03-22

    三重大学大学院医学系研究科看護学専攻

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