注意範囲の操作が記憶のトレードオフ現象にあたえる影響

書誌事項

タイトル別名
  • An effect of attentional breadth manipulation on memory trade-offs

説明

場面内に情動刺激が存在するとその刺激を詳細に記憶し,代わりに周辺情報の記憶は曖昧になるという中心-周辺のトレードオフ現象がある (Kensinger et al., 2007)。本現象は,高覚醒状態が誘発させる注意の縮小が原因だと考えられるが,情動刺激の記憶促進は注意配分量では説明できないという報告もある (e.g., Kim et al., 2013)。本研究では,注意縮小の記憶への影響を検討するため,実験1にて参加者内で注意範囲を操作し場面を偶発学習させた。各場面中央には情動刺激あるいは中性刺激が配置された。また,実験2では,注意範囲操作を参加者間で行った時の記憶への影響を検討した。その結果,注意範囲に関わらず,中心情報では常に情動刺激の記憶成績が高かった。周辺情報では,実験1及び注意拡大群では刺激種類による記憶の差はなかったが,注意縮小群で情動刺激の背景の記憶成績が低かった。注意範囲は周辺情報の記憶のみに影響し,中心情報の記憶には影響しないと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390583812015462912
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2024.0_91
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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