新型コロナウイルス感染症流行下での臨床実習が歯学部学生の高齢者に対する意識の変化に与えた影響の検討

  • 友岡 祥子
    九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科
  • 水谷 慎介
    九州大学大学院歯学研究院附属OBT研究センター 九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座高齢者歯科学・全身管理歯科学分野
  • 田渕 裕朗
    原土井病院歯科
  • 奥 菜央理
    九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科
  • 井上 良介
    九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科
  • 山添 淳一
    九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科
  • 岩佐 康行
    原土井病院歯科
  • 柏﨑 晴彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座高齢者歯科学・全身管理歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • An Investigation of the Effect of Clinical Practice during the COVID-19 Pandemic on Dental Studentsʼ Attitudes toward Older Adults

説明

<p> 我が国は超高齢社会であり,歯科医師は高齢者に対する幅広い知識と患者に合わせた対応が求められており,臨床実習生も,高齢者歯科における外来臨床実習や歯科訪問診療実習を通して,高齢者とのかかわり方を学んでいる。現在,歯科臨床実習が臨床実習生に与える影響を調査した研究はほとんどなく,新型コロナウイルス感染症流行による外来臨床実習の中断などの影響に関する報告も少ない。そこで本研究では,2019年度から2021年度において歯学部臨床実習を受けた学生91名を対象に,実習前後における高齢者に対する意識および高齢者歯科医学における知識についての自己評価の変化を調査することを目的とした。調査には,高齢者に対する行動目標や到達目標の指標となる項目が示された,要求される能力に関する質問紙と高齢者に対する感情的な態度を測定する日本語版Koganʼs Scale of Attitudes Towards the Elderlyを用いた。対象学生はすべての実習修了時,みずからの能力の上昇に肯定的な評価を認めた(p<0.01)。高齢者に対する態度についても,肯定的に変化していた(p=0.012)。実習前後の各調査項目における変化量について,歯科訪問診療実習の経験の有無および外来臨床実習の中断期間別に比較したところ,群間に統計学的な有意差は認められなかった。本研究により,臨床実習を通じて,高齢者に対する態度や要求される能力に対する自己評価に変化が認められた。高齢者に対する意識および高齢者歯科医学における知識についての自己評価の変化を評価することは,高齢者歯科医学の学修効果の確認や,今後の教育内容を向上するための一助となる可能性があると思われる。</p>

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 39 (3), 162-170, 2024-12-31

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390584431730222208
  • DOI
    10.11259/jsg.39.3_162
  • ISSN
    18847323
    09143866
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ