標的人物の音声に対する聞き覚えの有無が話者同一性評定の判断に影響するか
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説明
聴者が,聴こえた音声からその話者を同定するには,さまざまな音声を聴く必要はなく,たくさんの音声を聴くだけでも十分なことが示されている。われわれは日々,誰かの音声を覚えようという意識のもとでは聴いていないことを考慮すると,その音声に対する聞き覚えに基づいて,その話者を同定していることも少なからずあるのではないかと考えられる。そこで,標的人物の音声に聞き覚えを感じることが話者を同定することにどのように影響するのかを検討した。その結果,標的人物の音声に対する「標的人物の音声と同じ人物のものだと思う程度」の評定値を高めるには,テスト段階において標的人物の音声に聞き覚えを感じることが有効かどうかは明らかにならなかった。これは,話者同一性評定の課題要求が,学習時に聴いた標的人物の音声と同じ人物のものかどうかを判断することであることから,聞き覚えを感じても,それに基づいては判断しない可能性があることが考えられた。
収録刊行物
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- 大学院紀要 = Bulletin of graduate studies
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大学院紀要 = Bulletin of graduate studies 93 30-38, 2024-10-31
法政大学大学院
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390584475741580416
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- NII書誌ID
- AN00226113
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- HANDLE
- 10114/00031119
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- ISSN
- 03872610
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可