非認証施設のNIPTを契機に診断した正常バリアントである8p23.2重複の1例

  • 和田 悠
    大阪医科薬科大学産婦人科学教室
  • 藤田 太輔
    大阪医科薬科大学産婦人科学教室 大阪医科薬科大学病院 遺伝カウンセリング室
  • 森田 瑠香
    大阪医科薬科大学病院 遺伝カウンセリング室
  • 永昜 洋子
    大阪医科薬科大学産婦人科学教室
  • 大道 正英
    大阪医科薬科大学産婦人科学教室
  • 山田 崇弘
    大阪医科薬科大学病院 遺伝カウンセリング室 北海道大学病院 臨床遺伝子診療部
  • 霜川 修
    リッツメディカル株式会社クリニカルラボラトリー
  • 夫 律子
    リッツメディカル株式会社クリニカルラボラトリー

書誌事項

タイトル別名
  • A case report in 8p23.2 duplication, a normal variant mutation diagnosed following NIPT at a non-certified centre

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説明

非侵襲性出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal testing;NIPT)は,胎児の染色体異常を検出する非確定的検査である.本邦におけるNIPTの非認証施設では,3つの染色体トリソミー(21,18,13番)以外の全染色体の異数性や微小欠失・重複等についても検査を行っている.また,非認証施設は検査前後の遺伝カウンセリングやフォロー体制の不備など,さまざまな問題が指摘されている.今回非認証施設のNIPTで8番染色体の部分重複の疑いとされ,人工妊娠中絶目的で当院に紹介されてきた妊婦に染色体マイクロアレイ検査を行い,親由来の正常バリアントである8番染色体(8p23.2)部分重複と確定診断した1例を経験した.本症例は偶然にも人工妊娠中絶を回避できたが,非認証施設の不十分な情報提供が原因で,正常バリアント胎児の人工妊娠中絶が潜在的に行われている可能性がある.NIPTの受検を検討する妊婦に対しては,適切な遺伝カウンセリングとフォローアップが強く望まれる.〔産婦の進歩77(1):59-64,2025(令和7年2月)〕

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390584508741927168
  • DOI
    10.11437/sanpunosinpo.77.59
  • ISSN
    13476742
    03708446
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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