天皇海山列周辺における移行領域の海洋構造変化

書誌事項

タイトル別名
  • Hydrographic Structural Change in the Transition Domain around the Emperor Seamounts
  • テンノウ カイザンレツ シュウヘン ニ オケル イコウ リョウイキ ノ カイヨウ コウゾウ ヘンカ
  • Hydrographic structural change in the transition domain around the Emperor Seamounts (in Japanese with English abstract)

この論文をさがす

説明

<p>北部北太平洋には亜寒帯前線と亜寒帯境界の間として定義される移行領域(Transitional Domain: TD)が存在し,TDを南北に横切るように170°Eに沿って天皇海山列が存在している。本研究では155°E, 165°E, 170°E, 175.5°E, 180°線における長期間の海洋観測データを解析し,TDにおける水塊構造が天皇海山列を境界に大きく変化していることを明らかにした。天皇海山列の東西海域ではTDを明確に特定できるのに対して,天皇海山列上においてTDはしばしば存在せず,南から北に向かって亜熱帯水から亜寒帯水に急激に変化する水塊前線を形成していた。さらに,TDにおける東向き輸送に沿って,水塊は西から東に向かって亜寒帯水から亜熱帯水へ急激に変化していた。TD付近に存在する強い東向きの傾圧流は,天皇海山列上の43°N付近(推古海山と仁徳海山の間)を通過した後,北側にシフトする。この傾圧流の強弱や分布位置は経年変動したが,北側にシフトする傾向は何れの年においても同じであった。傾圧流を挟んだ西側と東側のTDで起こる水塊の変化は,亜表層において特徴的な水塊である中央モード水が重い密度帯から軽い密度帯へ変化することに起因していた。すなわち,傾圧流の北側へのシフトと中央モード水の密度帯の変化は密着に関連していることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 海の研究

    海の研究 15 (3), 267-281, 2006

    日本海洋学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (33)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ