5疾病における公認心理師への社会的ニーズ

説明

本研究では厚生労働省が掲げる5疾病(以下、疾患)、すなわち、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患について、一般的に見て心理支援への期待がどのような状況にあるのかを知るために、WEB調査の方法を用いてアンケートを実行した。まずスクリーニング調査を行って、医療機関で公認心理師が働いていることを承知しており、かつ公認心理師ではない者を抽出した。その後、各疾患への心理支援の期待などに関する項目と5件法の評定を設けて本調査を実施し、最終的に155名を分析対象にして得られたデータを検討した。その結果、5疾患いずれにおいても、公認心理師法で規定された4種の心理支援業務について、おしなべて高い割合で支援を期待しており、特に精神疾患については強く期待する者が多く、一般的に見て社会的ニーズが高いことが示唆された。また各疾患に対する心理支援全般への期待の程度はそれがどのような疾患であるのかといった疾患に対する理解の程度や、公認心理師がどのような働きをするのかといった役割に対する理解の程度と関連すると考えられた。なお今回の分析では、医療従事者でない者137名と医療従事者18名との間で、5疾患におけるそれぞれの心理支援全般への期待度について、統計的な有意差は認められなかった。

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