Effects of the “Kotoba Camps" for Children Living in Childrenʼs Homes : Using the elementary school version of the QOL Questionnaires (Kid-KINDLR)

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  • 児童養護施設入所児を対象としたことばキャンプの効果 : 小学生版QOL尺度(Kid-KINDLR)を用いて
  • ジドウ ヨウゴ シセツ ニュウショジ オ タイショウ トシタ コトバ キャンプ ノ コウカ : ショウガクセイバン QOL シャクド (Kid-KINDLR) オ モチイテ

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はじめに:児童養護施設の入所児は被虐待児が多く、それ以外にも家族との離別など, 小児期逆説体験を抱えており、自分の気持ちや感情を的確に伝える言葉をもたない。入所中の支援はトラウマケアに焦点が当てられて、将来に向けて社会的スキルをつける支援はまだまだ不十分である。研究目的:児童養護施設入所児の社会スキル向上を目指したことばキャンプは、参加児の自尊感情育成に寄与することを検証する。研究方法:児童養護施設の入所児を対象に「ことばキャンプ」を、1回2時間6クール施行し、1回目実施前と6回目実施後に、小学生版QOL尺度(Kid-KINDLR)を用いて有用性を検討した。ことばキャンプは, 筆者らが開発した集団ゲームを取り入れたソーシャルスキルトレーニングで、楽しく能動的な参加が可能な支援法である。対象は, 関東近郊の19の児童養護施設に入所している小学生(4-6年)127名である。結果:ことばキャンプ終了後、QOL総得点および「自尊感情」得点が有意に上昇し、「精神的健康」「友だち」「家族」も上昇した。一方、「学校生活」が有意に低下した。個々の事例では「自尊感情」が前後で低下した一群がみられた。考察:児童養護施設入所児の多くは自尊感情が低いが、ことばキャンプで社会的スキルを身につけることで自尊感情が上昇する。一方で、高すぎる一部の子は、自身を客観視できるようになり、自尊感情が低下すると推測した。学校生活の低下は、自身の立場を客観視できるようになった可能性を考えた。結論:ことばキャンプは、児童養護施設入所児の社会的スキルを向上させるだけでなく、自尊感情を適正化させた。

Journal

  • 教育研究

    教育研究 69 57-69, 2025-03-01

    青山学院大学教育学会

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