因果関係の解明に向けて : 認知症の人たちとケアスタッフを対象とした即興演劇ワークショップの参加型評価

書誌事項

タイトル別名
  • Addressing Causality: Participatory Evaluation on Improvisational Drama Workshops for People with Dementia and Their Carers(日本語版)

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説明

芸術と健康に関する研究の進展にもかかわらず,アートプログラムがウェルビーイングやケアに貢献するプロセスは十分に解明されていない。本研究は,介護施設で行われる即興演劇ワークショップが認知症の人たちとケアスタッフに与える効果の因果プロセスを,参加型評価とゴールフリー評価を併用して明らかにすることを目的としている。本論では,まず芸術における因果関係を扱う際の課題とアプローチについて概説し,次に方法論とワークショップのコンテクストについて述べる。調査結果は,芸術がもたらす効果を考える上で重要な検討課題,すなわち負の影響,芸術の独自性,芸術の質,長期的成果という観点から考察される。その結果,ミクロとマクロの2つのレベルの因果プロセスが合わさることではじめて,意味のある変化が生まれることが示された。このことは,負の影響(失敗)から学び,試行錯誤を通じて芸術的要素を他の関連要素と統合し,実施中に共有の目標を再定義することの重要性を示唆している。こうした取り組みを継続することで,個人の行動変容にとどまらない,コミュニティの成⻑へとつながる長期的成果をもたらすことができると考えられる。

収録刊行物

  • 芸術工学研究

    芸術工学研究 40 1-12, 2025-03-31

    九州大学大学院芸術工学研究院

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390585325052556672
  • NII書誌ID
    AA11392848
  • DOI
    10.15017/7343266
  • HANDLE
    2324/7343266
  • ISSN
    13490915
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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