枕詞「あをによし」の解釈史 : 平安から江戸期まで

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  • マクラコトバ アオニヨシ ノ カイシャクシ : ヘイアン カラ エドキ マデ

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説明

枕詞「あをによし」は、主に「奈良」を導くものとしてよく知られるが、その言葉の意味や発生には謎が多い。そのため、古来様々な説が提唱されてきた。現在は一般に「よい青土が奈良で産出されたことを褒める」という説明がされるが、この説明は、確かな根拠に基づいて積極的に支持されている解釈ではなく、否定材料が他の説に比べて少ないという消極的な理由によって行われているものにすぎない。「あをによし」をめぐっては平安期から江戸期にかけて、歌論書などで実に様々な説が出されて来たが、従来の研究において必ずしも整理されているとは言えない状況にある。そのために、「あをによし」の成立については解明されないままとなっている。本稿では、これまで整理が進んでいなかった中世以前の説も含めて、平安から江戸までに提唱された説を蒐集、整理する。それによれば「あをによし」はその時代の文化的状況を背景としながら多様に解釈がなされており、それらはおおよそ四種に大別されると言える。

収録刊行物

  • 京都語文

    京都語文 32 149-166, 2025-02-28

    佛教大学国語国文学会

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