小児アトピー性皮膚炎に対するデュピルマブ治療:開業小児科医の役割と課題
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- 八木 由奈
- 八木小児科
書誌事項
- タイトル別名
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- Dupilumab Treatment for Pediatric Atopic Dermatitis: The Role and Challenges of Primary Care Pediatricians
- ―20例のデュピルマブ使用例の報告より―
- —A Report on 20 Cases of Dupilumab Use—
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説明
<p>アトピー性皮膚炎(AD)は,幼少期に発症することが多く,小児科医がその治療において重要な役割を果たしている。地域の開業小児科医は,患者とその家族にとって最も身近な存在であり,早期の介入や継続的なサポートが可能である。学童期以降に治療抵抗性を示すケースにおいては,標準的な治療に加え,個々の悪化因子を見極めた対応が求められている。</p><p>近年,デュピルマブの登場により,中等症から重症の小児AD治療が大きく変化しており,小児科医によるこの治療の導入が,患者のQOL向上や社会的な影響の軽減に寄与することが期待されている。デュピルマブは副作用が少なく安全性の高い薬剤であるが,適切な専門医との連携も重要である。</p><p>デュピルマブはAD治療にとどまらず,食物アレルギーやアレルギーマーチのリスクを軽減させる効果があることが報告されている。開業小児科医は,小児ADの先にある喘息・鼻炎のリスクを見据え,“治療の始まりのチャンス”を逃さない姿勢が求められている。</p>
収録刊行物
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- 日本小児科医会会報
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日本小児科医会会報 69 (0), 102-107, 2025
公益社団法人 日本小児科医会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390585492992064000
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- ISSN
- 24359270
- 09121781
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可