過マンガン酸カリウムによる口腔咽喉頭熱傷例

  • 松原 眞人
    岐阜県総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 山田 南星
    岐阜県総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 高田 菜月
    岐阜県総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 柳田 正巳
    岐阜県総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 朝日 勇貴
    東海中央病院 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of oropharyngeal burns caused by potassium permanganate

この論文をさがす

説明

過マンガン酸カリウムは,カリウムイオン(K)とマンガンイオン(Mn)より構成される無機化合物である.強い酸化作用を有しており,下水・工場排水の処理や樹脂・油脂の漂白に用いられる.医薬品の用途としては,外用薬として用いられることがある.創傷治癒を促す効果があるとされているが,本邦において日常臨床では使用されていない.過マンガン酸カリウムを誤飲した口腔咽喉頭熱傷の1例を経験したので報告する.症例は30歳男性で,胃薬と間違えて誤飲し,強い咽頭痛が出現し救急搬送となった.口腔,咽喉頭粘膜に化学熱傷と思われる強い粘膜腐食を認めた.本邦では報告例はなく,治癒過程に不明な点が多かったが,幸い保存的治療にて後遺症なく完治することが出来た.化学製剤による熱傷は,多量に服用した場合,粘膜腐食作用により気道・食道狭窄を引き起こす症例も報告されている.それぞれの薬剤の特徴を理解し,慎重な対応が望まれる.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 38 (1), 76-81, 2025

    日本口腔・咽頭科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390585515101261440
  • DOI
    10.14821/stomatopharyngology.38.76
  • ISSN
    18844316
    09175105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ