四国遍路記の難所の変遷から見る道空間の変容—比較の視点から—

書誌事項

タイトル別名
  • A Comparative Perspective of the Transformation of Road Space as Seen in Changes in the Shikoku <i>Henro</i>
  • 四国遍路記の難所の変遷から見る道空間の変容 : 比較の視点から
  • シコク ヘンロキ ノ ナンショ ノ ヘンセン カラ ミル ミチ クウカン ノ ヘンヨウ : ヒカク ノ シテン カラ

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説明

<p>本稿では、聖なる空間の現代的変容という課題に対して、移動や道空間という観点からの考察を付与すること、四国遍路の現代的変容の一端を明らかにすること、の2点を目的に、難所の変遷という観点から考察を行った。江戸期の四国遍路記に見られる難所の記述と、現代の四国遍路記に見られる難所の記述を比較することにより、江戸期と現代において難所の変遷が見られるかどうかを検討し、難所の変遷が見られるのであれば、その特徴を明らかにするためにテキスト分析を行った。分析の結果難所の記述に三つの特徴が見られた。一点目が両方に共通して見られた山道や坂道などの難所の記述。二点目が江戸期には見られたが現代では見られない川や海の難所の記述。三点目が江戸期には見られなかったが現代で見られるトンネルや車道などの難所の記述である。江戸期から現代へと時代が変わるにつれて、難所は場所を変え、その意味合いを変えてきた。本稿を通して四国遍路道をめぐる多元的空間構成のもつ現代的意味の一端が明らかになった。</p>

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 29 (0), 63-75, 2023-06-24

    「宗教と社会」学会

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