ポリスチレンスルホン酸カルシウム沈着を呈した黄色肉芽腫性虫垂炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of Yellow Granuloma Appendicitis with Calcium Polystyrene Sulfonate Deposition
  • 症例 ポリスチレンスルホン酸カルシウム沈着を呈した黄色肉芽腫性虫垂炎の1例
  • ショウレイ ポリスチレンスルホンサン カルシウム チンチャク オ テイシタ キイロ ニクゲシュセイ チュウスイエン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は72歳,男性.糖尿病性腎症と片腎(右腎摘後)を原疾患とする慢性腎不全に対して腎臓内科で経過観察されていた.これに伴う高カリウム血症に対しポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate,以下CPS)を定期内服していた.経過中に黒色便・血便を自覚したため精査したところ,腹部CT検査で虫垂先端に腫瘤性病変を認めた.腹部造影超音波検査では虫垂先端部に嚢状の拡張があり,これは多房性の構造を呈し,造影にて粘膜の造影効果を示した.PET-CTでは虫垂には有意な集積を認めなかった.以上より虫垂粘液腫と診断し,回盲部切除術を施行した.病理組織学的検査では虫垂内にCPS結晶の沈着を伴う黄色肉芽腫性変化を認めた.このような組織学的形態を呈した虫垂炎の報告は本邦において初めてと思われる.CPS内服中の患者ではCPS関連の黄色肉芽腫性虫垂炎を念頭に置いて診断・治療にあたることが必要であり,詳細な既往歴と服薬歴聴取が重要と考えられた.</p>

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