東北農村の地域づくりにおける研究課題

  • 澁谷 美紀
    農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Research into the Regional Development of Rural Communities from the Perspective of Local Community Research
  • 東北農村の地域づくりにおける研究課題 : 地域社会研究の視点から
  • トウホク ノウソン ノ チイキズクリ ニ オケル ケンキュウ カダイ : チイキ シャカイ ケンキュウ ノ シテン カラ
  • -地域社会研究の視点から-

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抄録

<p>本稿の目的は,当学会におけるこれまでの研究成果の中から,農村の地域づくりに関する成果を取り上げて内容を検討し,今後の地域づくり研究で検討すべき課題を明らかにすることである.既往の研究成果については,研究の展開過程を3つの時期に分けて整理した.第1期(1965~84年)は,農村で出稼ぎや兼業を行う世帯が増え,従来のコミュニティ機能が低下した時期で,先行研究では農村の変容に伴う地域課題地域農業の組織化が議論された.第2期(1985年~2000年)は,「地域づくり」をキーワードにしながら,農業,農村の停滞状況を打破する新たな方策が模索された時期で,地域内産業連関や住民参加,農産物の高付加価値化といった地域づくりの新たな方向性が提示された.第3期(2000年以降)は,農商工連携や地産地消など地域づくりを推進する特定の活動ごとに,地域づくりの効果を高める方途が検討されている.これまでの地域づくり研究の到達点から,今後の研究では,第1に,コミュニティ機能を担うための重層的システムのあり方を明らかにする必要がある.第2に,地域づくりが地域経済振興の活動に傾斜すると,活動に参加できない世帯が出てくるため,こうした世帯をどう位置づけて地域づくりを進めるかが課題であることを明らかにした.</p>

収録刊行物

  • 農村経済研究

    農村経済研究 33 (2), 13-23, 2015-12-01

    東北農業経済学会

参考文献 (24)*注記

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