小腸内視鏡診断およびtransitionが重要であったクローン病の5例
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抄録
<p>【背景】炎症性腸疾患(IBD) は、原因不明の消化管の炎症性疾患であり若年での発症が多い。IBDには主として潰瘍性大腸炎(UC) とクローン病(CD) がありCDがUCより若年発症であり加療が長期にわたるため小児科または小児外科で診断および初期治療を担当し、15歳前後から内科管理に移行することも多い。今回、小児外科でCDと診断され、13~17歳で主として再燃を契機に内科にスムーズにtransitionした症例を5例経験したので報告する。</p><p>【症例】平均発症年齢12.6歳(12~14歳)、平均罹病期間2年(0.5年~5年)であった。発症時の症状は口内炎、痔核、下痢、血便、腹痛が多かったが、不明熱1例、皮疹1例も認めた。皮疹は結節性紅斑と診断した。病型は小腸型1例、小腸大腸型3例、大腸型1例であった。小腸型の症例は胃にも所見を認めた。診断は上下部内視鏡及びその際の病理組織、小腸造影、造影CT等によりなされた。内視鏡所見としては小腸の病変では回腸末端の縦走傾向の潰瘍が多く、大腸は1例で多発アフタ、1例で敷石像、1例で潰瘍瘢痕を認めた。2例で胃に竹の節様所見を認めた。17歳の症例ではダブルバルーン小腸鏡を経肛門的に施行し、大腸内視鏡では通常観察できない回腸に腸間膜付着側に縦走潰瘍を認め、診断に有用であった。病理組織検査でのgranuloma検出率は60%(3/5) であった。治療は5-ASA製剤をベースとし改善ない時はステロイド、さらに無効であった2例には抗TNF-α製剤を投与し、寛解導入可能であった。</p><p>【結語】平均罹病期間2年のCDで発症時小児外科が担当し、15歳前後で内科に転科した5症例を経験した。小腸病変を有することが多く、診断には上下部消化管内視鏡のみならずダブルバルーン小腸鏡が有用であった。CDは寛解再燃を繰り返し、その間複数回手術となり短腸症候群を呈することが多い。増悪時は速やかな活動性評価およびtransitionが重要であると考えられた。</p>
収録刊行物
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- 日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
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日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 2 (0), 47_1-47_1, 2018
日本小腸学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845702277354368
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- NII論文ID
- 130007704013
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- ISSN
- 24347019
- 24342912
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可