小児期,AYA期発症がん経験者の初めての就職活動における病気開示の意思決定への影響要因と採用面接担当者の反応

DOI
  • 土屋 雅子
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
  • 田崎 牧子
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
  • 鷹田 佳典
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
  • 高橋 都
    国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部

書誌事項

タイトル別名
  • Factors affecting the decision to disclose illness and responses from human resource professionals to survivors of childhood, adolescent, and young-adult cancer

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抄録

<p>本研究の目的は,小児期,AYA期発症がん経験者の初めての就職活動における病気開示の意思決定への影響要因および病気開示後の採用面接担当者の反応を定性的に明らかにすることである.16名に半構造化個人面接を実施し,初めての就職活動時の病気開示の状況が明らかであった12名の逐語録に対して帰納的主題分析を行った.その結果,病気開示の意思決定への影響要因は,《治療後の健康問題やがん経験者としての自己認識》《病気開示に関する周りの人々からの助言》《病気を開示することによる採用選考結果への影響》《病気を開示しないことによる心理的負担への影響》《病気を開示しないことによる就職後の困難の予測》であった.治療後の日常生活上の健康問題はないと認識した者は,病気を開示しない傾向にあったが,病気を開示しないことによる心理的負担の増大を懸念した者や就業配慮が必要であると判断した者は,病気を開示する傾向にあった.病気開示後の採用面接担当者の反応は,《淡々とした態度》《他の従業員との比較》《現在の病状に関する質問》であった.採用面接担当者の反応は肯定的なものばかりではなく,その反応は同病あるいは類似の障害を有する従業員の有無や病気の知識により異なることが示された.この世代のがん経験者に対する就職支援として,病気開示のメリットやデメリットを情報提供し,いつどのように伝えるか等の戦略的な意思決定支援が必要であろう.</p>

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