電流による磁区の一斉移動

書誌事項

タイトル別名
  • Current driven motion of magnetic domain walls
  • 電流による磁区の一斉移動 : スピン軌道相互作用を利用した磁化制御技術の新展開
  • デンリュウ ニ ヨル ジク ノ イッセイ イドウ : スピン キドウ ソウゴ サヨウ オ リヨウ シタ ジカ セイギョ ギジュツ ノ シン テンカイ
  • new paradigms for controlling magnetism using spin orbit effects
  • スピン軌道相互作用を利用した磁化制御技術の新展開

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抄録

<p>本稿では,最近次々と新しい現象が観測されている極薄の強磁性へテロ構造におけるスピン軌道相互作用に由来した現象について紹介する.強磁性体の磁化方向を電流や電界で制御する技術はスピントロニクスの根幹をなす技術であり,これまでは強磁性体内で生じるスピン分極電流とスピン移行トルクを利用して磁化の制御が行われてきた.最近,スピン軌道相互作用が大きい物質や膜構成を用いることで,これまでとは異なる構造,原理で磁化を制御できることが明らかになっており,この技術を利用して,新たなスピントロニクス素子や低電力で動作するデバイスの開発が期待されている.本稿では強磁性へテロ構造を用いて作製した細線における電流駆動磁壁移動現象の新たな展開について記述する.スピンホール効果とDzyaloshinskii-Moriya(DM)型の交換相互作用という,スピン軌道相互作用に由来する2つの効果を利用することで,ヘテロ構造を形成する膜構成によって,電流で駆動した磁壁の移動方向や速度を変えることができる原理について紹介する.</p>

収録刊行物

  • 応用物理

    応用物理 83 (7), 547-552, 2014-07-10

    公益社団法人 応用物理学会

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