テストステロン動態に及ぼす沖縄産エリ蚕蛹を宿主とする子実体抽出成分の影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of the extract of fruiting body dervied from Eri silkworm on testosterone dynamics in rats

抄録

<p>【背景・目的】 近年,沖縄産エリ蚕蛹を宿主とする冬虫夏草(子実体)の栽培が成功している。冬虫夏草は,古くから強精強壮・不老長寿の妙薬として珍重されているが,その薬理作用や薬効の詳細は不明である。そこで,このエリ蚕蛹を宿主とする子実体(仮称:琉球夏草)の活性を調べる目的で,オスの生殖内分泌系に及ぼす影響について検討した。【方法】 男性更年期障害モデルとして去勢(精巣摘出)ラットを用いた。この去勢ラットにテストステロンプロピオン酸エステル(TP:1 mg/kg,隔日投与)と共に琉球夏草(RK)由来抽出エキスを12日間連続投与し,精嚢腺,前立腺重量・サイズの変化を評価した。また,培養ラット精巣細胞を用いてテストステロン分泌に対するRK抽出エキスの作用を検討した。【結果】 去勢により萎縮した精嚢腺と前立腺重量は,TP投与により増加した。RK抽出エキスの投与は,精嚢腺重量やサイズに影響しなかったが,前立腺重量を低下させた。一方,血中テストステロンやその活性代謝物ジヒドロテストステロン値は,RK投与により上昇した。さらに,低用量の黄体形成ホルモン(LH)とジブチリル(db)-cAMP刺激下でみられる培養精巣細胞(ライディヒ細胞)からのテストステロン分泌の亢進作用は,RK抽出エキスにより促進された。【考察】 琉球夏草に含有される成分は,テストステロンの異化を抑制する一方で,テストステロン産生を亢進することが示唆された。よって,琉球夏草由来素材が男性不妊や更年期障害を改善する効果を有することが期待される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390845702287617664
  • NII論文ID
    130007719284
  • DOI
    10.14882/jrds.112.0_p-14
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ