Production of offspring from freeze-dried mouse spermatozoa preserved on the sheets

DOI
  • ITO Daiyu
    Graduate School of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
  • WAKAYAMA Sayaka
    Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi
  • OOGA Masatoshi
    Graduate School of Life and Environmental Science, University of Yamanashi
  • WAKAYAMA Teruhiko
    Advanced Biotechnology Center, University of Yamanashi

Bibliographic Information

Other Title
  • 新規媒体で保存したマウス凍結乾燥精子からの産仔作出

Abstract

<p>【目的】従来,凍結乾燥精子は真空状態が保たれたガラスアンプルでの保存が大前提であったが,アンプル瓶の作製ミスや破損などの懸念が伴う。本研究では,凍結乾燥精子をアンプル瓶よりも安全に長期間保存できる新たな保存媒体と最適処理方法の探索,及びその技術を用いた産仔の作出を試みた。【方法】実験にはICR系統のマウス精子と卵子を用いた。保存媒体には薬包紙,オブラート,プラスチックシート,ラップフィルム,和紙を用いた。精子の凍結乾燥は,キャパシテーションをした精子懸濁液を,液体窒素上に置いた媒体の上に滴下し凍結させ,直ちにLABCONCO FreezOne2.5®にて乾燥処理を行った。凍結処理は10分~2時間,乾燥処理は2~24時間行った。乾燥処理後,精子を載せた媒体をラミネート加工し,–30℃で数日から1ヵ月間保存した。各処理条件,各媒体で保存した精子について,加水後の精子回収率,ICSI後の発生率と産仔率,DNA損傷率を調べた。【結果・考察】薬包紙と和紙は媒体に精子が固くこびりつき回収が困難なほか,繊維などのゴミも多かった。オブラートとラップフィルムも同様の結果であったうえ,ラップフィルムはちぎれやすく回収をより困難にした。プラスチックシートを用いた場合,精子はシートに全く貼りつかず回収が容易であり,かつ繊維などの混入も見られなかった。回収した凍結乾燥精子を用いて顕微授精を行った結果,薬包紙で26日間−30℃で保存した精子から産仔を得ることに成功した(産仔率47%)。他の保存媒体による産仔率やDNA損傷への影響は現在実験中である。長期保存のためには空気の混入量やラミネートの接着剤による精子への毒性等も調査が必要だが,紙などシート状の媒体で保存した凍結乾燥精子からの産仔作出の成功は,“アルバム”のような形状でも精子が保存できることを示している。将来的には数万種にも及ぶような遺伝資源の一括管理やより安全な長期保存を実現することで,精子の凍結乾燥保存技術の利用価値はさらに高まると考えられる。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390845702289296128
  • NII Article ID
    130007719269
  • DOI
    10.14882/jrds.112.0_p-128
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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