ニホンナシにおける果皮のクロロフィル含量の非破壊計測

  • 山根 崇嘉
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門生産・流通研究領域
  • 原田 昌幸
    千代田電子工業株式会社
  • 羽山 裕子
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門生産・流通研究領域
  • 三谷 宣仁
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門生産・流通研究領域
  • 中村 ゆり
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門生産・流通研究領域
  • 草塲 新之助
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門生産・流通研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Non-destructive Measurement of Chlorophyll Concentration of Fruit Skin in Japanese Pear
  • ニホンナシ ニ オケル カヒ ノ クロロフィル ガンリョウ ノ ヒハカイ ケイソク

この論文をさがす

抄録

<p>ニホンナシの果皮のクロロフィル含量を非破壊で計測するために,携帯型分光計を用い,コルク層の上から果皮を透過した650~740 nmの波長域の拡散反射光の反射率を非破壊で測定し,部分的最小二乗回帰分析を行いクロロフィル含量の推定モデルを作成した.その結果,2016年産の‘幸水’,‘豊水’および‘あきづき’において,決定係数r2 = 0.962~0.974と高精度にクロロフィル含量を推定することができた.2017年産の‘幸水’で作成した同推定モデルで,2016年の上記3品種のクロロフィル含量の検証を行ったところ,決定係数がr2 = 0.956~0.974と高く,誤差も小さく推定できた.また,すべての品種でクロロフィル含量と地色との間に高い相関がみられ(r2 = 0.937~0.953),クロロフィル含量を地色に変換することが可能であった.推定モデルは果実温の影響を受けたが,温度の異なる果実を用いて推定モデルを作成することにより,果実温の影響は小さくなった.晴天の野外条件と室内の測定でほぼ同じ測定値を示し,野外での測定が可能であった.以上のことから携帯型分光計を用い,コルク層の上から果皮のクロロフィル含量および地色を迅速かつ高精度に測定でき,ニホンナシの熟度判定に活用できると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 18 (3), 253-258, 2019

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (7)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ