高齢者AMLにおける造血細胞移植療法

  • 小林 寿美子
    地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 血液内科/輸血・細胞療法科

書誌事項

タイトル別名
  • Allogeneic stem cell transplantation in elderly patients with acute myeloid leukemia
  • コウレイシャ AML ニ オケル ゾウケツ サイボウ イショク リョウホウ

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抄録

<p>国内外のAML発症は67歳前後であり予後不良染色体や発症背景の因子のために高齢者AMLは予後不良である。骨髄非破壊的移植(RIC)の開発により高齢者の同種造血幹細胞移植は可能となったが,成績向上のためには非再発死亡率(NRM)を減らすことが重要である。そのためには高齢者機能評価や併存症あるいは疾患リスク,CRの有無など事前に評価ツールを使い移植症例を選択してゆくことが必要である。本邦のAML移植は確実に高齢化しており,年齢制限は現在70歳前半までを許容する欧米の報告もあり本邦も同様の傾向にある。これまで高齢者は年齢制限のために治験や臨床データなどに乏しかったが,今後は高齢者AMLに対する取り組みが必要である。また移植までの橋渡しとして多数の分子標的薬などの新薬が登場しており,これらを移植前後に使用できるようになれば高齢者に最多のAML治療は安全性を担保しながら移植成績の向上が期待できる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (9), 1120-1130, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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